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「ときめき☆魔法少女」
sleepdogさんがご自身のブログで募集しておられる「希望の超短編」に投稿した作品です。
かなりぶっとんでますが、少しでも皆さんにユーモアをお届けできたら幸いです。
元ネタは、今、話題のあのアニメ作品だったりします。

続きからどうぞ。
 真夜中、目が覚めてみると俺のベッドの枕元に真っ白い珍獣が座っていた。
「僕はギュウべえ。ねえ、僕と契約して魔法少女になってよ。そうしたらどんな願い事でも」
「ちょっと待った。俺は男だぞ。それもむさい独身男だぞ。お前、何か勘違いしてないか?」
「げ、ほんとだ。ちょちょちょっと待ってね」
 ギュウべえとかいう奴は慌てて腹のポケットから書類を取り出した。
「えっとここは希望荘201号室……」
「ブッブー。ここは貧乏荘201号室だ」
「ちっ。間違えたか」
「じゃ、出てけよ」
「え? いやややや、間違えてないんかないよっ。だって、君が可愛い少女だってことは判るし」
「だから何処をどう間違えたら俺が少女に見えるんだよ」
 珍獣は突然、唇を震わせて目をうるうるさせると、がばっと土下座した。でかい狸みたいなしっぽがゆらゆら揺れている。
「お、おっさんでも何でもいいです。とにかく今日一人契約しないと今月のノルマが」
「知るか。俺なんか昨日リストラされたばっかりだ」
「給料が少ないと女房にどやされるんですう~」
 こいつ所帯持ちかよ! いや。でも、願い事を叶えてくれるっていうのは悪くないかもしれないな。でも、巷によくあるこういう話は決まって罠が仕掛けられているものだ。
「で、魔法少女になったら、何をすればいいのかな?」
 ギュウべえはぱっと顔をあげるとにっこりと笑った。
「もちろん、悪い奴らと戦うんだよっ♪」
「で、それによって得られるあんたの利益って何だよ。はっきり答えろよ。でないと契約してやんないぞ」
「だから僕の給料がうううもうこれ以上言わせないでギュウ。お願いギュウ!」
 いつの間にか語尾がうざい別の珍獣になってるがまあいい。俺は翌日からミルク色の髪にピンクのスカートの魔法少女になった。すね毛が丸出しだがそんなこと知るか。俺の行く先々でストーカーのように現れる敵のモンスターをやっつけるのは面倒くさいが、人を助けるのは案外悪くない。
 人々は決まって俺に「ありがとう!(でも、おっさん、キモッ)」という感謝の言葉をくれるし。何だか元気になれるとかで俺の関連商品も順調に売れているし。
 え? 俺が何を願ったかだって? いつ、どんな時でも人の心に希望の火を灯せる魔法少女として、正社員待遇で定年まで雇ってもらうこと。
 今日も俺は『魔法少女キモプリン』として頑張っている。ちょっと腰が痛いけど。
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