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お題小説「深夜の床の上に」アップしました
「nemu_tatibanaさんは、「深夜の床の上」で登場人物が「くすぐる」、「水」という単語を使ったお話を考えて下さい」というツイッターの診断を元に恋愛小説(?)を書いてみました。取りあえず、全然エロくないです(爆)

続きからどうぞ。

「深夜の床の上に」

 床が濡れている。
 私がそれに気付いたのは、喉が酷く乾いて目が覚め、布団の上に乗って眠っていた黒猫のジークフリートを起こさないようにそっとベッドから出てコーラを飲もうとキッチンに入った深夜のことだった。
 寝る前は濡れていなかった。それは確かだ。いったい何が零れているのか。灯りをつけようとするといきなりその水が真っ白な光を放ち始めた。水は直径が六十センチくらいの完全な円形をしている。一瞬、驚いたが、恐れよりも好奇心のほうが勝り、私はそっと水たまりを覗いてみた。水の表面は鏡のように平らで、まるでテレビ画面のように見たことのない鮮明な風景が映し出されていた。熱い雲に覆われた空の下には草原が広がっている。遥か向こうには真四角の黒っぽい建物が見える。こういう場合、普通はどうするものなのだろうか。水たまりに触れてみるものなのか、それとも直ぐに逃げ出したほうがいいのか。
 逃げたほうがいいのかもしれない。でも、考えるよりも早く、私は水たまりに手を突っ込んでいた。
 
 気が付くと広い草原の中に佇んでいた。雲は流れ、吹きわたる冷たい風が肌を刺す。そういえばパジャマのままだ。これは夢かもしれない。後ろを振り返ったが出口らしきものはない。見渡す限り、何処までも続く草原は強い風に身を委ねて不安げな波紋を描いている。
 私は目の前にある建物に向かって歩き出した。建物の正面には古ぼけた木の扉。そっとノブを回してドアを開ける。中は真っ暗だった。
――入っておいでよ
 その声には聞き覚えがあった。高校時代に付き合っていた浩二だ。そういえば彼とはどうして別れたんだっけ?
――早く入っておいでよ
 闇の奥に浮かんでいるのは懐かしい笑顔。いつの間にかそこは高校の校門の前に変わっていた。彼は前を開けたブレザー姿で、こちらに向かって手を伸ばしている。
――さあ、早く、こっちへ!
 その笑顔の温かさ。ああ、私は本当に、本当に彼のことが大好きだったんだ。でも、お互いにいつの間にか距離が出来て、気が付いたら彼は別の子と付き合い始めていた。
――あの時はごめんね。俺が愛してるのは君だけだったんだ。一緒に行こう。
 胸が熱くなった。私も同じだ。あの時は自分の気持ちに向き合うのが怖かった。でも、今なら……。

 そっと手を伸ばし、私が握ったのは、しかし彼の手ではなかった。
 黒くて毛だらけでふわふわして手がくすぐったい。あれ? これって……。
 次の瞬間、私はすごい勢いで後ろに引っ張られていった。浩二の顔が怒りに歪み、この世のものではない叫び声をあげながら物凄い勢いで追いかけてきたのを覚えている。

 気が付くと私はキッチンの床の上で座り込んでいた。膝の上にはジークフリートが長い尻尾を振りながら座っていた。やがて彼は私を見上げ、短くにゃあ、と鳴いた。

 浩二が事故で意識不明となり、その晩に亡くなったことを聞いたのはそれからずいぶん後のことだ。
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(非公開コメント受付中)

No title
こんばんは~。早速拝読しにまいりました!

確かに全然エロくない(^^;)
恋愛風ホラー(?)
私を呼びに来ちゃったんですね?ひゃあああ、もう、ぞくぞくしましたよ~。

それより。
あれだけの題材でこんなお話が出来上がっちゃうんですねえ。
ほれぼれ…
う~ん。まあぷるさんのお話、やっぱりすごい好きです~。


ジークに猫缶
拝読しました。

 主人公の妙に淡々とした性格が、いい味わいでした。

>こういう場合、普通はどうするものなのだろうか。

 そういうこと言ってないで叫べよ! と思わず突っ込みました(^^ゞ


 主人公が浩二と別れた理由、わかりましたよ~。

>顔が怒りに歪み~

 こんな我侭君じゃね。 


 お題小説なのに無理やり感がなく、かつ無駄なエピソードもなくてお上手だなぁと思いました。 それに、短い文字数のなかで場面がくるくる変わって行くのに、それぞれの情景がきちんと浮かびあがり、作品世界を楽しめました。

 黒い毛むくじゃらジーク。 恩人ならぬ恩猫ですね。 彼にはこれから毎日、ゴールド猫缶でねぎらってあげたいものです。


りいさん、ご感想ありがとうございます~
レスが遅くなってしまい申し訳ありません。

なんかエロくなくってすみません^^; でもぞくぞくしていただけてよかったです^^ 
題材はもう無理やりに繋げちゃった感じですね。そうしたら何となくホラーっぽいのが書けちゃいました。
いやいやしかし好きなんて言っていただけるとものすご~く舞い上がっちゃいますヽ(^o^)丿うっほほ~い(ヤメロ

ありがとうございました!





梅(b^▽^)bさん、ご感想ありがとうございます~
レスが遅くなってしまって申し訳ありません。

主人公の性格は、どうもこういう感じのが多くなっちゃうんですよね。素直に悲鳴を上げない奴。私とは真逆に冷静な性格に憧れるからでしょうか。

浩二は我儘な奴だったんでしょうね。何となく離れちゃうということにもやっぱり理由はありますからねえ。

短い中での場面展開。実はこれは短編で私がよくやってしまうことでして、思考が先へ先へ飛んでしまうのですよ。テンポはよくなりますがあらすじみたいになっちゃうのが悩みでして。。
でも、楽しんでいただけたようでよかったです~(〃▽〃)

ジークに猫缶♪ もちろん、これ以来主人公は高級猫缶を皿に載せてフォークをつけて(CMみたいに)食べさせてあげているようですよ。

ありがとうございました!


No title
読ませて頂きました♪
お話がどんどん膨らんでいって、とても楽しめました(^^)。
浩二くんも、本当に「私」を愛していたんですね~。最後に呼びに来るなんて……
ごちそうさまでした!


ellieさん、ご感想ありがとうございます!
レスが恐ろしく遅くなってしまって申し訳ありませんでした(汗

何となく書いた話なので、出来はあれなんですが楽しんでいただけてよかったです^^
いくら愛していても今頃になって迎えに来られても迷惑ですよね^^;
ありがとうございました!


拝読致しました
 お久しぶりです、作品の方を拝読致しました。

 水たまりが異界への扉というのが良いですね。
 よくよく考えてみれば怖いお話なのですが、怖さだけでは無くてフッと切なさも感じる様な作品でした。
 猫の活躍も見れて、面白く読む事が出来ました。

 有難う御座いました。


渋江さん、ご感想ありがとうございます!
レスが大変に遅くなってしまい、申し訳ございません!

日常から壁一つ隔てて異界が存在していたら面白いだろうな、といつも考えています。その世界は恐ろしく怖いものかもしれませんが、もしもその世界の入り口を見ることが出来たら、さらにその先も覗いてみたいという好奇心に負けてしまうんじゃないかと思います。
楽しんでいただけて何よりです。ありがとうございました!


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