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「もののけ本所深川事件帖 オサキ江戸へ」読みました。
もののけ本所深川事件帖 オサキ江戸へ (宝島社文庫)もののけ本所深川事件帖 オサキ江戸へ (宝島社文庫)
(2010/05/11)
高橋 由太

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第8回このミス大賞の隠し玉、高橋由太さんのミステリ風味時代劇です。
主人公の周吉は江戸時代のリサイクルショップ、献残屋、鵙屋(実はこの「もず」が読めませんでした;)に奉公する優秀な手代。彼はオサキモチの家系に産まれた特殊能力の持ち主で、食い意地の張った妖孤の「オサキ」に憑かれています。
彼はかつて村を追い出され、放浪生活を送っていた頃に鵙屋の主人を山中で妖孤の群れから助けたのが縁で鵙屋に奉公しています。
ある日、夜回りをしていた周吉が槍突きの一団に襲われたのを皮切りに、普通の人間には見えないオサキが見える唯一の人間であった医者、冬庵が殺害され、店の一人娘で周吉に惚れているお琴が行方不明になってしまう。これは「鬼隠し」なのか、それとも何者かが彼女を誘拐したのか。周吉はお琴を助けるために東奔西走し、やがて……。

まず周吉とオサキのコンビがいいですね。妖怪の本性が見え隠れし、文句を言いながらも周吉に協力するオサキが可愛い。彼を助ける剣の達人、柳生蜘蛛ノ介もかっこいい。
ただ、ちょっと周吉がクールすぎるような気がしますね。芯の強さが見えるのはいいのですが、もっと感情が露わになってもいいんじゃないかな。二十歳過ぎなのに少年のような美形であるところも生かせると思いますし。
ようするに周吉というキャラをもっと魅力的なキャラに出来るんじゃないかなあということです。今後、彼に相対するようなライバルが出てくるともっと物語が面白くなりそうです。

そうそう、周吉がかつて彷徨っていた山の中で「太夫」に遭遇し、オサキを祓われそうになった時に命をかけてオサキを守ったエピソードは泣けました。なんかこう、人間と妖怪のいい関係って大好きなんですよね。

ストーリーはエピソードがあちこちに飛びがちなので、もう少しまとまりがあってもいいんじゃないでしょうか。全体的には面白かったので、最新作も読ませていただこうと思っています。
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