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『KAGEROU』の感想です
KAGEROUKAGEROU
(2010/12/15)
齋藤 智裕

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何かと巷で話題の本、斎藤智裕著「KAGEROU」を読んでみました。

以下はあくまでも一般的な「小説」としてどうかという観点からの感想です。もし、そういうのがお嫌いな方はこの後は絶対にお読みにならないでください。以下、激しくネタばれあります。続きからどうぞ。

まず、文章がどうかということですが、言われているように使い古された比喩だとか、描写がなんたらとか、そんなことは私の場合はどうでもいいんです。もちろん、小説として読む場合、文章に魅力があるにこしたことはないんですが、私は何よりもストーリーを重視します。
この作品は文章的には読みやすいし、及第点だと思います。比喩も捻りすぎて何だか判らなくなっているよりはよっぽどいい。
ただ一箇所、ヤスオとキョウヤが狭い通路をぴったりくっつくような形で通っていくところで、

――その姿はまるで交尾をする昆虫のようだった。

これはちょっといただけませんね。何だか気持ち悪い。
でも文章表現は作品を書き続けていけば磨かれるものなので、この点は特に問題はありません。

ただ、致命的なのはストーリーで、はっきり言って面白くない。自殺しようとする(この場合、舞台は必ずと言っていいほど高いビルの屋上)人物を別の人物が制止することから物語が始まる場合、あまりにも巷に溢れたシチュエーションなので、アマチュアの小説コンペの作品でも必ず叩かれます。

ここでざっとあらすじを。

ヤスオの自殺を止めたイケメン、キョウヤは、全日本ドナー・レシピエント協会、通称全ド協のコーディネーター。ヤスオの身体から臓器を提供してくれれば、両親には莫大なお金を残すことが出来るという。で、ヤスオは彼と契約を交わします。舞台は「センター」に移り、内臓の査定後、デパートでの自分の死亡演出→病院から脱出→アカネとの出会い→トランス・ターミナルで一旦死亡したが、医師側の手違いで生き返る→埋め込まれた人工心臓(ゼンマイが入っている)に何故かベッドを持ち上げるハンドルがぴったりだったので自分でそれを回しながら病室から脱出して、アカネと出会い、彼女が見つけた秘密基地(防空壕の跡地)に隠れるが、結局ターミナルへ連れ戻される。再び手術が始まるが……。

何というか、ストーリーはスムーズに進んでいくんですが、盛り上がりがないんですよね。私はエンタメ大好き人間だし、多少なりともハラハラドキドキした場面が欲しい。欲をいえばこういうシチュエーションならバトル・シーンのひとつも欲しいところなんですが、そこはリストラされた40歳の男性が主人公だから仕方ないかもしれません。それに病室から逃げ出す場面は絵的に言って寒いギャグでしかないので、映像化の場合は大幅変更したほうがよいでしょう。作家の岩井志麻子さんの感想でも、この場面は映画化しないほうがいいとおっしゃってました。それを紹介したテレビのワイドショーでは「映画化すると安っぽくなるから」とか言ってましたが、ちょっとニュアンスが違いますね。

最終的なオチはそれほど斬新でもないですね。シールを貼る遊び心は面白いとは思いましたが。
結局この物語で一番可哀想なのはキョウヤの魂だったなあと。
「命」をテーマにするのは大変難しいことで、それに正面から挑んだことは素直に認めますが、結果的に『リストラされた為に自殺を図った40才の冴えない男性は自分の内臓を他人に提供することによって救われ、生まれ変わって二十代のイケメンの身体を手に入れた!』という、あまり感動的でない印象しか残らなかったです。

以上、簡単ですが私の正直な感想です。

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(非公開コメント受付中)

お読みになったんですね
今日、久しぶりにツイッター見て、知りました。(一週間とか十日に1回しか見てないので、話題に全然ついて行けませんですみません)
実際にちゃんと読んで、意見を述べる、というのはフェアでカッコいいです。


ellieさん、お久しぶりです
いや~、もう感想も出尽くした感があるので新しいことは書けませんでした^^;
だから、思ったことを正直に書いています。

とにかく、読んでみないことには何もわからないので読んでみました。
この作品、主人公のヤスオより、キョウヤの生い立ちのほうが興味深いので、彼を主人公にして書いたほうがもっと面白くなったような気がします。
とはいえ、本に抱く感想は人それぞれなので、この作品が凄く面白かった! という方も当然ながら大勢いらっしゃると思うんです。

この本の出版に関してはいろいろときな臭い面もありましたが、小説を読む人たちが増えて行くのなら、出版界にとってもいいのではないでしょうか。
ただ、その反面、小説家を目指す多くの方々がこの出版社の賞を目標にすることを避けるようになるのではないかとも思いました。


早いですね
賛否のありそうな作品をまず自分で確かめてみる。
その姿勢、行動の早さに頭が下がります。
どうも私は天の邪鬼で腰が重いのです。

いろいろと言われている嫌な話や噂、憶測はおいておいて、
久々に出版界での出来事が大きくニュースになり、
経済効果もあったようなことは、まあいいのかな、と思っております。
これがまた私がこの賞に作品を投じていれば、また別なのでしょうが。


江沢さん、遅くなって申し訳ありません
レスが恐ろしく遅くなってしまいました。申し訳ありません。
取りあえず、話題になったので読んでみましたが、ミステリではないですし特に読む必要もない作品ですよ。

経済効果はあったとは思いますが、ポプラ社の大賞に応募していた方々は複雑な心境でしょう。この小説はどう贔屓目にみても大賞を取る作品ではないな、と思います。応募した方々は作品をドブに捨てたような気分になったんじゃないでしょうか。 いずれにしても実力があれば賞を取る可能性はあるので、めげずに頑張ってほしいですし、斎藤さんには今後、疑惑や酷評を跳ね返すような傑作を期待します。



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