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「十二歳の夏に」その8です
第8回アップしました。前回のラストがなんかちょっと危ない感じになってますが(泣)、今後BL展開になるとかはありません(汗

続きからどうぞ。

「あの……ジャッキー」
「何だい? レイ」
「苦しまなくても済むようになるって、それどういうこと?」
 レイは友人のその言葉が少し気になった。だが、ジャッキーはレイの不安を振り払うように即座に答えを返す。
「ああ。つまり慣れるってことだよ。これは本で読んだんだけど、ヴァンパイアは覚醒した頃は辛いけど、次第に吸血衝動をコントロール出来るようになるらしい」
「へえ。けっこう詳しいんだね、ジャッキー。興味ないって言ってたのに」
「一応、ああ言っておかないとまたテリーが別のハンターのところに行こうとか言いだすかもしれなかったからね。僕、ヴァンパイアには興味があるけれど、ハンターは好きじゃないんだ」
 ジャッキーは立ち上がり、しばらくするとタオルを持って戻ってきた。
「さあ、これで顔を拭けよ。酷い顔してるぞ、レイ。そんな顔で帰ったら君の母さんが心配するだろ?」
「そうだね。顔を洗ってくるよ」
 レイは差し出されたタオルを受け取ってバスルームに入った。勢いよく水を出して顔を洗い、鏡で顔を眺めた。泣きはらした目が赤くなっている。少し落ち着いてみると友人の前で泣いたことが恥ずかしくなった。それにいくら泣いたって人間に戻るわけじゃない。自分が惨めになるだけだ。レイはぎゅっと拳を握りしめた。

――俺がしっかりしなかったら、母さんは悲しむだけだ。

 部屋に帰るとジャッキーはまたベッドに腰掛けていた。
「レイ、今、思い出したことがあるんだけど」
「うん……どんなこと?」
「もしかしたら、君は本当に苦痛から解放されるかもしれないんだ」
「え? いったいどうやって」
 レイはジャッキーの横に腰を下ろす。
「ほら、三か月前に八年生のイーサンっていう生徒が急に引っ越したのを覚えてる?」
「ああ。彼、春シーズンのアメフト部ではエースだったからね。よく覚えてるよ」
「彼、ヴァンパイアだったんだよ」
「え? イーサンが?」
 背が高くて逞しいイーサン。彼が常に女の子達に囲まれていたことをレイは思いだした。
「そう。でも今は人間になって、別の町で暮らしてる」
「人間に? いったいどうやって!」
「町外れに去年、診療所が出来たんだけど、知ってるか?」
「いや、知らないよ」
「そうか。まあ、予約した患者しか診ないし、知らないほうが普通だろうな。で、そこの先生、実はヴァンパイアを人間にする薬を持っていてね。まだその薬、臨床段階で公にはなってないんだけどイーサンは初めての成功例なんだよ」
「でも、どうしてお前、そんなこと知ってるんだよ」
「二か月前だったかな。ヴァンパイアのこと調べていたら、偶然雑誌に彼の名前を発見したんだ。それで話を聞きにいったら、僕を気にいってくれて薬のことを教えてくれたんだ。でも、誰にも秘密にしてほしいって念を押されたけどね。だから、もし君がそう望むんなら、彼に紹介しようかと思ったんだよ」
 レイは突然見え始めた希望の光に顔を紅潮させた。
「……もちろん、俺は人間になりたいよ。でも、母さんはどう思うかな」
「君がもし人間になったってアメリアは怒らないよ。それに彼女だって人間になることが出来るかもしれない」

――そうなれば、もうこそこそ暮らす必要はない。同じ町にずっと居続けることだって出来る。

「判った。俺、彼に会うよ」
「それじゃあ、さっそく話をしておくよ。ねえ、来週の火曜日はアメリアも休みなの?」
「いいや。その日は俺だけだよ」
「じゃあ、その日にしよう。それからこのことはまだアメリアには内緒だよ、レイ」
「ああ、絶対言わないよ」

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