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「十二歳の夏に」その5です
☆初めに
皆様、拍手ありがとうございました! 大変嬉しいです。
連載は続けることに致します。本当にありがとうございました(^^)

連載5回目です。続きからどうぞ。

 黒いTシャツとスラックスを身につけたアメリアはさながら獲物を追う黒豹のように、用心深く、人の気配を窺いながら歩を進めていく。レイはすぐ後ろからついていった。前触れもなく襲ってくる衝動に時折、足並みが鈍くなる。
 歓楽街の裏路地の角で、アメリアはぴたりと歩みを止めた。そっと覗いてみると男が一人歩いてくるのが見えた。
「レイ。襲う相手は健康じゃないといけないの。匂いの違いはこれから覚えなさい。それから、なるべく酔った人間を襲うこと。動きが鈍くなってるから扱いやすいのよ」
 男は隠れている二人に気付くことなく通り過ぎた。かなり酔っているようだ。アメリアがすっと動いた。滑る様に男に近付くと後ろから素早く身体を抱きしめて首筋に咬みつく。空気が抜けた風船のように男が気を失う。
 レイはまだそれが現実に起きてることとは思えず、ただ茫然とその光景を眺めていた。
「レイ、こっちへ来なさい!」
 アメリアが低い声でレイを呼ぶ。
「見て。咬みつくのはここよ。一度、人を襲ってみれば本能的に判ると思うけれどね。さあ、血を飲みなさい」
 嫌だ。理性がそれを拒否する。でも、耐えがたい喉の渇きを止めるにはそれしか方法がない。ぎゅっと唇を噛み、覚悟を決める。
 男の首筋には二つの小さな穴が開いていた。アメリアはすっかり力の抜けたその身体を、少し膝を曲げさせた形で前から抱え込むようにして支えている。レイが背伸びすることなく首筋に咬みつくことが出来るように。
「この男を気絶させる為に、牙から出る麻酔液を少しだけ注入したの。このままでは数分で気が付いてしまうから早くしなさい。それから喉の渇きがなくなったら血を吸うのは止めること。いいわね」
 ごくりと唾を飲み込む。と同時に激しい衝動が襲ってきた。後ろから素早く男の頭に手を回すと首筋に牙を突き立てる。溢れ出した血液が渇ききった喉に流れ込んでくる。それは今まで飲んだどんな飲み物よりも美味だった。ゆっくりと喉が潤い、不快な衝動が嘘のように消えていく。まだ吸っていたいと思ったが、レイは母の言うとおり、そっと牙を抜いた。
「上手だわ。それでいいのよ、レイ」
 アメリアは男の身体を離し、レイの身体を固く抱きしめた。
「さあ、早く帰りましょう。誰も来ないうちにね」
 倒れた男の身体を引きずって狭い路地に隠す。塀に寄りかかり、地べたにべったりと座り込んだ男は、ただ酔っぱらって眠りこんでいるように見える。
「その人……このまま死んじゃったりしない?」
「大丈夫よ。あなたも咬みついた瞬間に牙から麻酔液を出してるの。だから、十分くらいは気を失ってる。基本的に人は殺さないのよ、私達はね」
 アメリアは素早く周囲を見回し、空中の匂いを嗅いだ。
「遠いけど、ハンターの匂いがするわ。急ぎましょう」
 彼女はレイの先に立って歩きだした。
 レイは歩きながら倒れている男の首筋を見た。母の咬み痕の少し内側についた二つの赤い咬み痕。それは紛れもなく――自分のものだ。
唇が震え、自然と涙が溢れ出てきた。レイは家に辿り着くまで、込み上げてくる嗚咽を止めることが出来なかった。

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(非公開コメント受付中)

こんばんは
お久しぶりです、ご無沙汰してます!
連載続けてくださって嬉しいです。

一読者(というかレイのファン)としましては、すっかり世慣れたようなレイ(大人)じゃなくて、色々とまどうレイがかわいらしいというか切ないというか…!
あと、アメリア母さんが素敵です。母強し。

お話が終わっていないのに感想を書くのもアレかと思うのですが、連載楽しみにしています。

そういえばSSFCにも投稿されているのですよね。
ちょこちょこ覗いていますが、いったいどれがまあぷるさんの作品なのか分かりません! ああ。
一ヵ月後の結果を待ちわびておりますね。

ではでは、ご挨拶まで。


霧吹さん、おひさです^^
霧吹さん、お久しぶりです。こちらこそご無沙汰しています。
連載、続けることにしました。毎日、というわけにはいかないかもしれませんが頑張りますので、お付き合いくだされば嬉しいです。

ご感想ありがとうございます。
大人のレイは確かにすっかり世慣れしちゃってますね。まあ、ああいう生活してるので仕方ないんですけども^^;
それに比べて十二歳のレイは、まだまだ純粋です。書いてて楽しいです。アメリア母さんは女手ひとつでレイを育てているので強いですよ。

SSFC、う~ん。
はっきり言っちゃうと今回はかなりアレです。終了後は改稿するつもりですので、出来ればそちらをご覧くださいね^^;


連載続行、うれしく思います。

SSFCしかり、読者というのは勝手なもので「次はまだですか」と思わずにはいられないのです。
第四回のラスト、あんなに気になるところで、「待て」を命ぜられた読者としては、文句の一つも言いたいところです、なんて。
無理のない範囲で、連載お願いします。
作者当ての都合もあり、詳しくは書けませんが、SSFCは「!」な展開になっています。


江沢さん、ありがとうございます^^
江沢さんにも読んでいただいてるなんて嬉しい限りです。
連載は連日は難しいかもしれませんが、頑張りますので、お付き合いいただければ嬉しいです。

SSFC、私は江沢さんの作品はたぶんあれだと思うのですが、感想の厳しさはFCの名物みたいなものなので、あまり気になさらないほうがいいですよ。皆さんからいただく批評は非常に参考になると思いますので、勉強会のつもりで。

かくいう私は久々に「やっちまったな~」っていう気分です。ははは。まあ、たまにはこういうのもいいんじゃないですかね。皆さんからいただく批評は凄く的確なので、リメイクの際の参考にさせていただこうと思っております^^





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